エアーエッジ
AIR-EDGE(エアーエッジ、旧表記AirH") は、ウィルコム(旧社名DDIポケット)が2001年6月1日より提供しているPHS回線を利用したパケット通信による、定額制または準定額制の、IPデータ通信サービスである。多くの場合はインターネット・サービス・プロバイダ (ISP) への無線アクセスとして利用されているが、法人向けに、企業LANへのインターネットを介さない閉域サービスを提供することもできる。本サービスは定額制・準定額制料金をとるが、常時接続ではなく、従来のダイアルアップ同様、オンディマンド接続である。
このサービスを開始するにあたり、他のPHS事業者(ドコモPHS、アステル)とは異なり、基地局にオンラインで小規模な改良を加えるだけで済んだため、サービス開始当初から、現ウィルコムのPHS (H") が利用できるほぼ全国のエリアで利用可能であった。移動体通信における定額データ通信サービスに先鞭をつけ、2004年現ウィルコムが世界に先駆けて導入した音声通話用端末でのフルブラウザ定額制も本サービス無くしては実現し得なかったものであり、2005年の音声通話定額制の導入と共に音声端末での契約が激減していた同社が復権する原動力となった。他方、基地局への新プログラムを追加していく過程で、メモリ容量を確保するため、需要のなくなった古いサービスのプログラムは一部、削除された。
エアーエッジが利用できる端末には、PCカードやCFカードなどの形状をしたデータ通信専用(PC・PDAによる音声通話可能なものもある)の端末と、音声通話用の端末でエアーエッジに対応したものがある。後者は、専用ケーブルでPC等と接続した場合にのみエアーエッジが利用できるものであったが、2003年4月に端末でのメールやネット閲覧による通信もエアーエッジで行うようにした「AIR-EDGE PHONE(エアーエッジフォン)」が登場した。また、エアーエッジをモジュールとしてPCなどに内蔵した「AIR-EDGE IN(エアーエッジイン)」というものも存在するほか、法人向けのテレメトリングにも用いられている。
基本的なターゲットは屋外でノートパソコンやPDAなどを用いたモバイル通信を行なうユーザーで、人口カバー率99%以上というウィルコムの完成されたエリアを重視する層である。他方、エリアの面展開は出来ないがより高速な通信が必要で、スポット的に喫茶店などで使えればよいというユーザーには無線LAN(WiFi)という別の選択肢があり、ウィルコム自身が無線LANサービスのオプションを提供している。また、本サービスは無線LANと比べ、最高速度は遅いがエラー率は低く、セキュリティ上の懸念ははるかに低い。
2005年2月2日の、DDIポケットがウィルコムへ社名変更した際、エアーエッジの表記も「AirH"」から「AIR-EDGE」へ変更された。
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